これは私がブルマーにめざめていくお話です
ついに私はT田さんのブルマーを手にした。
まず、表面をなでてみる。以前触れたN澤さんのブル
マーよりもなめらかな手触り。
呼吸が荒くなってくる。
次は匂い。ウエストの部分からかいでいく。これがT
田さんの匂いか。どんどん下がってついに股間へ。
N澤さんのブルマー股間のような強い匂いはしなかっ
た。だが、ナイロンと洗剤とわずかな体臭が入り混じっ
た匂い。
「T田さん・・・」
私は激しく勃起していた。こめかみの血管が怒張して
いるのがわかる。
しばらくT田さんの匂いを味わったあと、私は自分の
ズボンと下着を脱いで、慎重にドアのフックにかけた。
1年ちかくの間妄想しつづけてきたことを実行に移す
のだ。
ゆっくりとT田さんのブルマーをはいてみた。
女の子のブルマーが自分の下半身に入るかどうか不安
だったが、ブルマーはすんなりと私を包んでくれた。
ウエストのゴムがしめつける。ギンギンに勃起したチ
●コにふれる柔らかなナイロンの感触。おもわずブルマ
の上からチ●コをさすってしまう。気持ちいい。
「いま私はT田さんになっている」
女性の衣服を身につけると性的な興奮がえられること
が初めてわかった瞬間だった。
いま思えば「女の子になりたい」というオートガイネ
フィリア者の性向は、このときハッキリと自覚されたの
だ。
どれぐらいの間、着用していただろうか。多分ごく短
い間だったのだろうが、それはなんとも甘美な時間だっ
た。
「これを慎重に元に戻さなければ」
我にかえった私はブルマーを脱いだ。脱いだときとて
も淋しかったのを憶えている。いつまでもこのブルマー
をはいていたいと強く思った。
廊下のフックにT田さんの体操服袋を戻した。このま
ま持って帰りたかったが、そんなことをすれば騒ぎにな
るにきまっているし、T田さんがイヤな思いをすること
になる。
絶対に盗んだりしてはいけない。私はそう自分に言い
聞かせて家路についた。
誰にも見られてはいないようだった。