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因業日記

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線路ぞいのラブホテル

 僕が高◎を卒業するまで住んでいた町に古いラブホテルがある。

 国道と私鉄の線路にはさまれた場所に建っていた。

 突然そのホテルに泊まったことがある、という記憶がよみがえってきた。

 もう何十年も忘れていた記憶だ。

 いまとなってもなんでそうなったのかはよくわからない。

 一緒に泊まったのはSさん。

 高校の同学年。

 私の友達の元彼女。

 歌が上手くて文化祭のとき彼女をボーカルにした即席バンドでライヴをやったことがある。

 Sさんはとても勉強がデキて、国立の名門大学に進学することが決まっていた。

 背は低いけれど、とてもシッカリした大人っぽい女性で、彼女から見たら同い年の
僕なんか子供なんだろうな、と思っていた。

 まあ実際この歳になっても僕は子供っぽいのだが。

 高校を卒業する直前だったと思う。

 寒い夜、Sさんから電話がかかってきた。これから会えないかという話。

 なんで僕が呼ばれたのかもわからない。

 JR線の駅前にあるドーナツショップにSさんはいた。

 Sさんは母親とふたり暮らし。

 そのお母さんと大喧嘩をして家を飛出したという。

 暖かいドーナツショップでしばらく話をしているうちにSさんは泣きだした。

 あのしっかりしているSさんが人前で泣くなんて信じられなかった。

 その後、「もう今日は家に帰れない」というSさんを連れて、寒い街をさまよった。

 ふたりともお金を持っていなかった。

 そのころは夜中コンビニのATMでお金が引出せるサービスなんてなかった。

 所持金はふたり合わせて4千数百円。

 僕は線路沿いの古いラブホテルのことを思い出し、「あそこなら値段交渉できる
かもしれない」と考えた。

 長距離トラックがビュンビュン走る国道沿いを歩いて、ホテルにたどり着いた。

 僕ひとりフロントに向かった。

「あのーすみません。お金が四千円しかないんですが、泊めてもらえませんか?」

 フロントにはヌボーとした60代くらいのオジサンがいた。

 オジサンは一瞬ケゲンそうな顔をした。

「本当にそれだけしかないの?」

「・・・すみません。本当にないんです。急に出かけてきてしまって・・・」

 寒い夜に金のなさそうな男が困っている。

 オジサンは少し可哀そうだと思ってくれたのだろう。

「じゃあ今度だけだよ。4千円でいいよ」

 そう言って値引きに応じてくれた。

 私は入口のドアの外で待っているSさんを迎えにいき「大丈夫、4千円で泊めてくれるって」と告げた。

 部屋に入り最初に風呂に熱い湯を張りふたりで浸かった。

 それぐらい身体が冷切っていたのだ。

 風呂につかりながらSさんはまた泣出した。

 おぼえているのはここくらいまで。

 たぶんセックスしたのだろうが、そのことは不思議なことにおぼえていない。

 もしかしたら一晩一緒にいただけだったのかもしれない。

 ストリートビューで見てみるとこのホテルはまだ同じ場所にある。




 2022年、皆様に幸せがおとずれますように。
 
[ 2022/01/04 16:23 ] 思い出すこと | TB(-) | CM(0)
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