「R子にはあんたはむかない。だからあきらめなさい」
面とむかってハッキリ。Sさんに言われた。
「R子となんの話をするの?どこに遊びにいくの?それって楽しいと思う?」
Sさんって大人だったんだな。いや、私が子供すぎたのか。
私は「ただ恋してる」という気分やファンタンジーに酔っていただけに過ぎ
ないということを、いとも簡単に指摘したのが、このときのSさんだった。
私は往生際悪く「いや、別にR子さんとつきあいたいとか思っているわけじゃ
ない」とか言い訳をしていたと思うが、この日のSさんの言葉は衝撃的だった。
そしてこのときをきっかけに「自分と合う相手」ということを考えるように
なったのである。
憧れているだけの相手ならそれは、テレビの中のアイドルや女優に恋しているよう
なものだ。
それは絶対に人生の実りにはならない。自分が話して一緒に行動して楽しいと思
える相手じゃなきゃ恋する意味がない、ということを教えてくれたのがSさんだった。
しかし、当時同い歳の中○生、Sさんがこんな人生の真理を知っていたのはなぜだ
ろうか。
渡哲也に教えてもらったのか?
大袈裟に言うと、Sさんにそう言われた日から私の新しい人生が始まった。
それは今の私の生き方につながっている。
〜おわり